2011年 4月 タイガー・モス試製 初号機 |
2011年4月1日 まづは胴枠、側板の製作 |
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胴体基本工作はほぼ同手法だが、タイガーモスはサイドに縦通材をつけて断面も多角形。
そこで骨組みは台形にしなければならない。1/12ではカウルをスッポリカバーとしたが、
このサイズではPET一体モールドにはできない。 |
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モーターマウントは胴体組み込みとし、ノーズはバルサ積層スクラッチビルトで。カウルの
サイドパネルもバルサ貼り付けでうまく膨らまして・・・残念ながら後部空気抜きにはなっていない。
上半分と先端のオチョボ口部分だけPETモールドにして、ハッチにすることに。
この整形が意外と難物、何度も貼っては削り、また削り取って貼り足して・・・悪戦苦闘の1日。 |
2011年4月2日 頭が出来たら先に足をつけてしまえ。 |
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この脚の組み立ては1/12で完全消化済み。ちょっとピアノ線が太くて曲げに苦労するくらいですんなり。
2.5mmメインと1.6mmテンションロッドは銅線巻いてハンダ付けでガッチリと。シュリンクでカバーもして
主翼後ろにもベニヤのハード・ポイントを。そう!双フロートの水上機仕様も考慮済み。 |
2011年4月5日 主翼支柱は4mmアルミとカーボンパイプで |
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ARFみたいにプラ整形の支柱をサイドからビス止め・・・なんて雑な仕事じゃ納得いかない。
差し込み式接着でガッチリ・・・と作ってみたが後部のV股部分もプランクを削ってクリヤしなければならない!
当然穴が開いてしまうからドロ縄で裏打ちバルサを接着、現物合わせ、丸棒ヤスリひとなめの繰り返しで
やっとピッタリ・フィットに仕上がった。 |
2011年4月7日 尾翼も作って仮組み・・・なんか変だぞ?! |
↑上の写真をよくみれば気がつくでしょ? 胴体後部尾翼台の部分の巾を広くしすぎてしまったので
モス独特のスリムな胴体がやたらボッテリおデブになってしまった!
よくよく図面を調べたら操縦席からテールまでストレートなテーパーなのだ。作図するときにサイドの縦通材の膨らんだ外形線を読んでしまったのだ。・・・なんとも粗忽 己のそそっかしさに自己嫌悪。
悔やんでみたって詮無いこと。プランクまで済ませてほとんど完成した胴体の後ろ半分を切り取り作り直し。
もう前半分は完成してしてしまっているから、定盤の上で組み立ては出来ない。
真ん中で切り取ってしまっては、センターを狂わさず組み立てるのは至難の業。一晩悩んで難関克服!
ガッチリプランクできている上半分をのこして、下側を切り取って作り直す。テール位置を決めてから
上半分を切り離して作り直し。 口では簡単だがいざやってみると一苦労。いっそ新規作り直した方が早いくらい大仕事になってしまった。瞬間接着剤の威力!昔のボンドやセメダインじゃとても考えられない太神楽。
苦労の甲斐あってみごとスマートなモスのボディーが甦った。
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タイガー・モスにはもう一つ厄介なところが・・・
オリジナルDH82A練習機型はDH60とおなじストレートなカマボコなのだが、下駄履きのシー・プレーンでは
水平板の前の胴体上にフィンが付いているのだ! 縦安定用のラダー背びれではなく、水平尾翼に!!
先に組み立てたときこのフィンがやたら大きくなるのでミスに気が付いたのだ。
陸上で使っている実機でもこのフィンが付いたままになっている機体が多い。きっと二人乗りではテールヘビー気味になるのかも??? 一人搭乗のときは後席に乗るのだから。 |
2011年4月10日 PETモールド成型エンジンカバー 企てどおりに一発成功 |
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タイガー・モスのノズ・カバー上半分は、ほとんど直線テーパーだから・・・その通り結果100点満点
先端の下は少しだけノーズにかぶさる。ここの成型が一番の曲者。加熱収縮では最短距離で縮むから、
くびれた部分は凹まない。 かつてユングマンの一体カウル作りでさんざんてこずったのを思い出した。
PETボトルの口に差し込むようにダボをつけたからずれ込みもなく見事収縮密着。この方法なら
ユングマンでもエアロンカでもどんなオチョボ口でも成型できる。ここまでくるのに何年かかったんだ。。。
以前1/12のGVモスを作った時には、サイズ的にカウル製作とバッテリー搭載に苦慮したのだが、
機体サイズが大きくなった分、ノーズの処理もずっと楽で、よりリアルな感じに仕上がった。
こうしてみていると同じデザインのあの機体が・・・Chipmank スマートなんだよなぁ・・・ |
2011年4月11日 いよいよ主翼工作 上半角+後退角 またまた厄介な翼なのだ |
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まづは エルロンがないシンプルな上翼から。
主翼はDH60Mothとまったく同じ作り。
で、後退角分だけ付け根が斜めになるだけ。
後縁のカーブがちょっと変わる。
上半角を切り出したベニヤに、後退角分の
△バルサを貼り付けて、カンザシを先に作っておく。 |
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中央の燃料タンクは上下面とも流線型に成型。そのすぐ側が支柱取り付け位置。3mmベニヤ補強。 |
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下翼も基本的に同じ作り。エルロンはDH60と同様、1mmベニヤのハッチに9gサーボX2
上下翼とも前縁プランクに上面総リブキャップで表面は滑らか。 |
2011年4月12日 ようやく主翼上下完成 仮組み |
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前後から見れば上下翼の上半角の違いがすぐわかる。DH60Mothは上下とも同じ上半角の直線翼だが、
後年のタイガーモスになると、上翼が前に移動し、上下スタッガーも多くなり、後退角が付くので
上翼の上半角は下翼の半分(片側 下5度 上2.5度)なのだ。
60モスと同じ主翼を斜めに付けるだけなのも実機と同様だが、結局上下はまったく別物、これが手間喰い。 |
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2011年4月13日 生地完成 仮組みしてお写真を・・・ |
ほとんど同じ大きさ、似たような作りだけど、複雑な主翼組みなので重量増加を懸念したけど、
結果は 機体生地完成重量は380gと、DH60Mothよりほんの10g多くなっただけ。
特段軽量化など留意したわけではないのに??? リブに1.2mmバルサを使ったのが利いたのか? |
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なぜかタイガー・モスはDH60モスと比べるとボリューム感がある。60モスがシンプルでスリムともいえる。
ノーズの倒立ジプシー・メイジャー・エンジンと後退角主翼がそう見せるのだろう。
スポーツ・フライトを目指したので、主翼翼端前縁スラットや張線、燃料ホース、ワイヤ・リンケージなどの
ディーテールUPやスケール・アクセサリーは省略。 脚も少し大股で幅広 なにせヘボ操縦者じゃけん。。。
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2011年 4月 タイガー・モス 完成1号機 |
2011年4月16日・・・試作機生地完成 しかし!
カバーリングして問題発覚!! 気分一新・胴体作り直し!!! |
側面は縦通材でカバーを山形に膨らますのだが、上部プランクとの段つきが製作時から気になっていた。
案の定、カバーリングに軽量PETフィルムを使ったせいもあって収縮させても側面が面一にならない!
円弧と斜め側面では境目が面一になるはずがない。モノコートなら接着性と収縮性でピンと張れるとは思うけど、如何にカバーリングテクニックに自信があろうと、いずれにせよ段がつくし、どうしても合点がいかない。
あまりにもメジャーなタイガーモスゆえに中途半端では納得できず、意を決して胴体を新規作り直し。
所詮試作機の宿命か?欠点を改修してこそ生産型として納得がゆくのは実機とて同様。
この際ノーズもモーターぎりぎりまでスリムにして実機のシルエットを追求することに。 |
2011年4月18日 修正胴体 新規製作 |
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胴枠も正確を期してボード上に図面を写し、PETフィルムを貼り付けて(瞬間がきれいにはがれるから
接着に好都合)その上で製作。側板ノーズ部にも穴を開けサイドからエア抜きができるように。 |
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まず胴体中央の直線部分だけ
定盤の上で接着組立て。
脚差込みベニヤ積層も製作
ここは試作機と同寸法だからそのままコピー |
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中央ができたらノーズのベニヤ補強水平枠を差込み(前から斜めに入れてひねって水平にする)
定盤にあてがってねじれをチェックしながら接着。下面に脚取り付け部も接着し、最後に先端胴枠を接着。
これでノーズ部分の平面形が決まる。先端は細く絞り込んで・・・ |
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支柱取り付けも改修 試作では胴体側板内側に支柱を立てたので
どうしても胴体内側にめり込んだ形になってしまうので、ギリギリまで外側に修正するために、側板に切込みをいれ内外から補強を当てることに。下端はベニヤ水平胴枠に差し込むので強度的に問題はない。ただ工作はちょっと面倒に!台形だから側板が斜めなのだ。 |
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ノーズ部分ができてから再度平板にセンターをあわせて仮接着、後部胴体を組み立てる。 |
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下半分ができたら平板から剥し、
操縦席床、上部胴枠、縦通材を組み立てる。
この時点でサーボ積み込み、リンケージを組み込む。
サーボ位置も下翼開口部前端胴枠まで前に移動
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2011年4月20日 胴体プランク 完成へあと一歩 |
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まずはノーズ側面のエンジンカバー部分を。実機同様のふくらみを持たせ、エアー抜きも効果あり! |
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上面プランクをして支柱差込み部分を削り取る。
思惑通り支柱は胴体側面いっぱいで、リアルに。
バルサ積層でスラストをつけたモーターマウントを
胴体水平ベニヤと側板にエポキシでガッチリ接着。
後部に5mmバルサを貼ってノーズを成形。
カウルも、モールドをストレートなテーパーに修正して、
PETカバーは新規作り直し。
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2011年4月23日 改修の目玉 サイドラインの成形 |
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側面に6mmバルサを貼り、サイド縦通材から斜めに
上部の丸みまで滑らかにつながるように慎重に削りだし、サンディング仕上げ。
上部の円弧も両肩を斜めに修正してあるので、サイドと面一になる。 |
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カウルはノーズを引っ掛けてピタッと重なるので、マウントベース部分の上から皿ビス1本で固定OK。
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2011年4月25日 いよいよ タイガーモス1号機 完成へ |
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脚は試作機から流用。
ちょっと巾が広すぎてガニマタだった脚は
胴体付け根部分を曲げて巾をつめ、
少し背が高くなってしまうが、よりリアルに修正。 |
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試作機ですでに完成済みの主尾翼を取り付けて機体組み立て完了。
モーターいっぱいまでノーズを細く絞ったので、外観はかなり忠実に再現された。
これだけ改修を加えてもやはり2度目は試作より良くなるもので、
生地完成重量はわずか14g増加の394gで完成した。やはり妥協は禁物 とことん納得しなけりゃ・・・
あとは胴体カバーリングで宿願のタイガーモス完成へ。
接着、張り、強度光沢 全ての点でやはり「モノコート」はフィルムの王者だ。仕上がりが楽しみ!
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