工房日誌 製作ダイアリー
ほとんどスケール Macchi M.7 bis 1/11
1921 Schnider Trophy Race Winner Macchi M.7 bis
 Powerd by Isotta Fraschni V6 260HP
1922年の勝者、イタリアの3連勝を阻止したスーパーマリン「シーライオンU」につづいて、未公認となってしまった1921年の勝者「マッキ M7bis」を、同じ1/11の縮尺で。

フィリピン製の大型スケールエンジン機で知名なマッキM7。しかし既製品モデルもエンジン部分などかなりデフォルムしているし、スケール重視で翼や艇は実機スケールダウンのようにソックリだが、RC機としての飛びは???らしい。
WEBでも意外と資料は少なく、イラストや写真では上の2枚くらいしか信憑性がない。シュナイダー・レーサーの「M7bis」は、戦闘艇「M7」とは異なり翼幅を短くつめたレース仕様。エンジンもカバーも異なる。後期改良型M7terはこのレーサーの発展型のようだ。
幸いイソッタ・フラスキーニV6直列6気筒260HPエンジンはスウェーデンの博物館に保存されていて写真も見つかった。ディーテールにハマリそう。。。
正確な3面図が見つからないので、資料とスペックをもとにオリジナルで作図。翼は普通のクラークY類似フラットボトムに。

2008年 11月 1日 2217クラス、ビッグ・サイズの飛行艇 第3弾
シーライオンのようなモノコック○胴体ではなく、シンプルな箱型の艇なので、胴体中心のBOXセクションは使わず、キールと床板を基本骨格とした構造で極力単純化して軽量仕上げを目指す。
床ができたら胴枠をつくり接着。 艇の前半分を完全なBOX骨格として組み上げる。
ノーズのR部分には発泡スチロールを埋め込みサンディングして整形。(非常用の浮き?)
ハッチ部分と下翼取り付け部分の補強で、ガッチリした骨格が完成。これに側版を貼り付ける。
1.5mmバルサ側板の上下を2mmストリップで補強、テールの垂直板差込み部分は上下2.5mmの△で位置決め。肩の部分は2.5mmバルサでプランク後サンディングして成形。
2008年 11月 9日 艇体骨格完成 尾翼は差込み組み立て式の「十」型
十字型尾翼の強度確保の為、垂直板は5mm、水平板は4mmバルサで。
垂直板の下端は艇底部の切り欠きに差込み、アライメントは狂いなし。
ラダーはテーパーに削って後縁を薄く。下側のトリム・タブもラダーと一体にして面積を確保。

後は平らな上下面をプランクすれば艇体は完成。現時点で約110g、まずまず計画通りに仕上がりそうだ。
2008年 11月 21日 第一関門突破 下翼取り付け ハッチ出来上がり
シーライオン同様の手法で、エンジンBOXを上翼に取り付けステーで下翼と合体。
下翼はビス3本で艇体とガッチリ固定。ステー取り付け部は3mmベニヤ差し込み接着で。
翼中央部はベニヤカンザシとバルサ後退・上半角ガイドでガッチリ固める。
CGを検討した結果サーボ・マウントを開口部中央に移動。下翼取り付け部を3mmベニヤで。
下翼をプランクした後、モーターコード、エルロンコードを通すため穴あけ。
艇の壁も切り欠いて、ハッチをくぐったコードが、レシーバー、アンプの搭載位置に応じて、
下翼中央からでも、操縦席(バッテリー室)へでも、選択できるようにした。
難物は操縦席ハッチ。下翼上面まで一体でカバーするようにしたが、1mmバルサプランクの悪戦苦闘。
ステー固定ビスの逃がし「U」切り込みや、複雑なカーブのカバー部分は、下翼の上にラップをかけてその上で現物あわせで作り出す。尻が反って翼上面に密着しないのでカーボンロッドまで貼って成形。
何度も修正変更してやっとハッチが完成。先端のダウェルを刺して後部はサーボ・ホーンのロックで。
ハッチだけで一晩徹夜を費やした苦労の甲斐あって、ピッタリと決まった。
接合部分にシリコンでも塗れば防水は完璧に。大きく開口するからバッテリーやメカ搭載は楽々。
ノーズのデカイ空間はかなり大きいリポでも楽勝に搭載できる。CG調整は実に簡単に。
この角度から見るとまさにM7
艇のフォルムがうまく再現できた。

実機はアンダーカンバーの薄翼でかなりの迎え角がついているから、操縦席後部とラインがつながるが、
翼型と取り付け角(0度)が違うので段差を目立たなくするためのハッチの工作が難関。

何とか第一関門クリヤ!
2008年 11月 22日 上翼 スンナリ出来上がり!
上翼は複雑な取り付け部分補強もなく、上半0、後退角のみなのでスンナリ仕上がり。
エルロンサーボはダミーエンジンの形からしても、1サーボ、ロッド式は困難、したがって
ニューポールで散々やりつくした ハッチ式翼内埋め込み2サーボに。
2008年 11月 23日 メインイベント!? イソッタ・フラスキーニV6 直列6気筒 260HP ナノダ!
モーターマウント、翼支柱支持部を兼ねる一番肝心要のダミーエンジン。
モーターベースの巾ギリギリにつめても直列6気筒には少々厚すぎるのは、ガマン!
2mmベニヤのBOXをベースに、外側にバルサ・スクラッチ貼り付けでエンジンを作る。
まず シリンダーのフィン焼き切りから。空冷星型よりはずっと楽。
しかし何で水冷エンジンなのにシリンダーは空冷でフィンがあるんだ?
シリンダー上部は真鍮のバケツ?でくるんである。水路も真鍮パイプ。
当時はまだウォータージャケットの鋳型が出来なかったのだろうナァ。(イタリヤだからか?)
無論ロストワックスなんて手法はなかったもんなぁ。。。
そこいくとやっぱりイギリスは工業先進国だったのだナァ 当時は!
それでもノッキングが克服できずスリーブ・バルブなんて奇妙なものを作ってしまうんだ。。。偏屈!
クランクケース、ヘッド、ウォータージャケットなどはバルサ積層でペタペタ。
SOHCカムシャフトのドライブはシャフトとベベルギヤ。ネピア・ライオンも同じ、当時の主流か。
40年もあとのオートバイもおんなじヤンケ。ドッカてぃ〜さん。1965年250cc単気筒コルサとマッハ!あこがれだったなぁ〜 
日本じゃまだSVすら使ってたモンナァ 陸王さん! 最先端OHCとはいえネックレスじゃなくてチェーンだらけのCB72は愛車だった。


キャブレターは6気筒なのにツイン?キャブ ウェーバー3連なんてなかったモンナァ。。。
40年もあとの007の2000GTでもおんなじ。1960年代では日本はまだまだ後進国だったのだ。

ラジエターはお決まりの金網。 しかしこんなところに風車をつけるか! やっぱイタリア〜ノって。。。

出っ来たぁ〜 これこそスケールの楽しみ。でも54gの「支柱」って重たすぎるはナァ。。。
 忘れ物:プラグ・コードとカバー、左側のオイル・ブリーザー、、、キリがないからこれにて打ち止め
  ともあれ なんとかイソッタ・フラスキーニになりました。ただの箱よりゃずっとマシでしょ。

これにアンヨを踏ん張れば マッキの一丁上がりじゃぁ  ヴィヴァ・イタリアーノ ムイント ムイント・・・
2008年 11月 26日 翼端フロート製作、支柱組み立て そして 生地完成!
涙滴型でもただの箱 すんなり完成
例によって
下翼に埋め込んだシリコン・チューブに差し込み式

すでに艇生地完成状態で浮かべて喫水線は確認済み
荷重により多少の上下もワンタッチ調整可能。
支柱は4mmカーボン・パイプの両端にピアノ線で○穴を作ってビス穴に。
ゲージ(厚紙に書いた線図)の上でエポキシで組み立て。一夜明ければ出来上がり。
  ・・・って 組んでみたらチョイ長すぎる! でも問題はない。
    ピアノ線をライターで炙れば熱でエポキシが崩れ簡単に抜ける。
    パイプを切り詰めて再接着 これにて一件落着。
    3Dの正確な長さなんてフォトショップじゃ出せない。なんたって現物あわせが一番じゃけん。。。
↓拡大写真でみれば一目瞭然、上翼斜め支柱は定番「輪ゴム+被子チューブのダミー支柱」
 エンジンブロックを上翼に接着してしまうからそれだけで十分、ガッチリ固定するのです。
ついに組み立て完了 生地完成重量420g カバーリングで目方が決まる
すでにおわかりのとおり、艇底はフラット。
マッキもサボイアマルケッティも当時のイタリヤ艇は逆カマボコの凹んだ艇底が特徴。
しかし、確かに凹底は風や波の影響をおさえ直進性がイイが、あえてフラットにしたのは、水中舵がないので滑水時のラダーの利きを良くするため。
かつて大昔GP機のサボイヤでは甲板張りの凹底にしたが、水中舵があってもラダーもかなり大きくしなければならなかった。
翼面荷重30g/デシそこそこの軽量小型電動機ではたちまち離水してしまうから。。。 
でも、完璧な水上旋回性能を求めるなら透明プラ板などをラダー下に付けるという手もあるのだが・・・


ともあれ ほとんど完璧(自画自賛 我田引水)なスケール・シルエットに仕上がりました。
 飛んでりゃスケール・・・でスタンド・オフ・スケールの軽量仕上げにこだわっていた「ほとんど?スケール」も、
 月日を重ねるうちにいつの間にか正真正銘の「ほとんど」スケールになりました。



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