工房日誌 製作ダイアリー
日本陸軍一式戦闘機 「隼」 キ43T 1/13 
あれから4年、まだユニオンの280GDとNiMhで非力、過重な時代、機体の軽量化にのみ固執して精進したあの頃。 4年の歳月はリポ、ブラシレスとメカの進歩がめざましく、すでにニッカド、400モーターなど歴史の中に消えてしまった感がる。
当時の軽量化の努力は根底に息づき、スケール向上にも大いに役立ち、古典複葉機に浸る日々が続いた。
リクエストいただいたのを期に、過去の経験値とアイデアをつぎ込んで、最新現代仕様の「隼」にチャレンジする気になった。
ややもすると時折旧時代のエンジン機製作の定石が蘇り、過剰な強度と重量過多の元凶となるが、4年の努力、100機を越える経験値は更なる進化を追求する。
そんな自問自答の時間がこの上ない悦び、1つ半?の眼と2本の手で、ゼロから完成機を生み出すバルサ工作こそ、唯一の生きがい。

2008年 3月 25日 リクエストにお答えして、最新の「隼」を!
さまざまな方法でトライしてきたモノコック○胴体、今回は
ノーズからテールまでストレートにテーパーする「隼」ゆえ、またまた新方式でチャレンジ
例によってアルミ平板に瞬間点付けで、中央側板(というよりただの枠)を組立て、
そのまま冶具上で機体上半分を組み上げてしまう。
ノーズは操縦席(風防もともに)ごとハッチにして上側をガッポリ開く。リポ搭載の新手法。
テールはスリットをつくって尾翼差込式に。
台からはがして下面の前後プランク部分を作る。 
尾輪はリンケージなしだが、遊動式にしてキャスター効果でタキシの助けに。
プランク前に尾翼をつくって差込み、胴体中心のボックスに定規をあて、水平ラインの確認と微調整。
プランクしてから、主翼取り付け部分に5mmバルサを接着、翼型にあわせて慎重に切り取り。
 主翼の製作
リブ型を実寸センチカーソルで作画、プリントアウト。リブ下側はラインを引くだけで切り取らず平らにしておく。
平板上で組立て(翼端捩じり下げもつけて)後、下側をラインどおりに慎重に切り取り、長い定規を当ててテーパー状態をチェック。大雑把な計算では出ない微妙な寸違いをサンディングで修正。
 たとえCAD図面であれ、手で切り出し、手で組み立てれば必ず狂いはあるもの。この微調整こそコンピューターやレーザーカット、ましてや女工さんの組立といったARF量産工場ではできない、「ヒトナメ」の世界。
プランクは前上面と中央のみ。左右翼の接合はカンザシを使わず、ムサシノの小型機のような(ARF大型機なんかでも同じだけど)中央接着式。
センターリブに上半角の傾きをつけ、接合は水平の竹棒をガイドに、エポキシで。
プランクの中央上面はグラス・クロス+エポキシで補強。・・・これって大型機と同じ=やっぱり昔のクセで・・・
主翼ができたら胴体の接合面を微調整。何度も削っては合せを繰り返し、翼上面とピッタリに

それから合わせ目に1mmバルサをはさみ仮固定。上面にフィレットラインを書き込み、カット。

この後が一番苦労する3D曲線のプランク。1mmバルサだって実機の寸法にすれば1cm以上の極厚板!
スチーム曲げのテクを駆使してもなかなか滑らかな面は難しい。現物合せの真骨頂!
1mmバルサの△だから重さはほんのわずか、重量の大半は垂れ流しの瞬間とパテ!
 ダミーエンジンは平板のイメージだけ
 なんたってメジャーで資料も豊富な「ハ25」=「栄」だけに、凝ったら終わるところがない。
  せめて最前面の環状オイルクーラーぐらいは付けて。。。
2008年  4月 2日 スリム!まさしく華麗(華奢?)な隼の胴体ラインが
あとは細部の仕上げだけ。って
 機銃カバーのふくらみ、アンテナ支柱とか、キャノピーの型作りなおし、お飾り脚カバー、トドメのカバーリング。
 まだまだ夜なべは続くのです。

 ・・・とかいって、一年で一番暑いこのシーズン、昼間は街に出て水ぶっかけっこでもしなきゃおさまらない暑さ!
    日中はひたすらお天道様をのがれて昼寝、 夜明かし仕事の日々が続くのです。

 かつてこの灼熱の地で、ホンモノの「隼」で劣勢な苦しい戦いの日々を送った昔の日本人は、
   如何に辛抱強かったことか。 
 ♪ 母の背中にちさい手で振ったあの日の日の丸の 遠いほのかな思い出が・・・
     ・・・そんな身近な思いが 第2次大戦機 大東亜戦争機を敬遠させるのです。
 ♪ 寒風酷暑ものかわと 艱難辛苦〜乗り越えて ♪♪♪  敬礼!

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