工房日誌 製作ダイアリー
ボーイング・ステアマン KAYDET ブラシレス専用機

2007年 10月 22日 7号機 2年目の革新 他シリーズ機同様に1/12で新設計

2005年 10月 01日 初号機 製作奮闘記録

2007年 10月 20日 初号機から2年、前作からはや一年。再製作7号機は心機一転

Boeing Stearman KAYDET 1/12
 ブラシレス採用当初、機体の軽量化にこだわって他のシリーズ機並の大きさにするため、1/12.5という変則的な縮尺で、6号機まで製作した「ボーイング・ステアマン KEYDET」。

 しかしBL+リポも常識となった現在、そのパワーは十分な余裕があり、この機会に他の機種と並べて大きさの違いがハッキリわかる同縮尺1/12で新規再設計。結果的にほんの一回り数センチ大きくなるだけ。

 この2年間の経験値から、まだまだ軽量化の手を入れる余地があるので、前作とそう変わらない重量で完成できそう。
再度 実機精密図面を元にさらに実機に近いスケールで作図、
キリのいい縮尺だから端数処理も功を奏して
よりリアルなフォルムが再現できそうだ。
2007年 10月 20日 基本は変わらず されど細部は徹底洗い直し
工作法もアレンジ、1.5X5mmのバルサLアングルに、中央コクピット床部分(1.5mm)を接着して初めから直角、センターラインを確定。 定盤に上面をスポット接着してベースにし、1.5X6mmの井桁胴枠を接着。直角を確認しながら下側Lアングルも貼って基本骨格完成。
外周にロンジロンがつくので基本骨格は徹底的に軽量化。(従来の約半分1/4インチ幅。アメリカ機だからインチが合う?インチき!)
定盤に固定したまま、下面を仕上げてしまう。これで曲がり狂いは皆無。
中央部は5mmバルサで、おおよその翼型を切り取る。(主翼完成後サンディングで微調整するため小さめにカット)
下翼固定板(3mmベニヤ)、脚差込部(2mmベニヤ3枚重ね)、防火壁(2mmベニヤ)をエポキシでシッカリ接着。
ノーズ下面の5mmバルサを貼り成形、サンディング。
定盤から剥し、側面の縦通材(2X3-6mm)を接着。前後上下から見ながらサンディングして曲線ラインを出す。
上面の隔壁を立てて縦通材(2X5mm)を接着。前部の支柱差込み部分は5mmバルサで。
尾翼を製作(4mm厚、完成後サンディングで面だしすると3.5mmになる) ラダーの曲線はまさにスクラッチビルト。
ラダー差込み部(胴体テール)はバルサ積層で水平板に接着、最終胴枠と面一にカット・サンディングで成形。
エレベーターのジョイントもコの字型の1.5mmピアノ線を埋め込み接着。厚みにゆとりがあるとヒンジライン切り込みも楽だ。
テールの△部分が曲者で、これをよけるためにラダー・ホーンは2mmベニヤでL型の変形タイプを製作。
主翼は前部下面を反り上げた半対象に近い翼型なので、中心線の迎え角が三度近くになる。主翼は後下面の直線を基準として取り付け角0度でセットする。したがって水平尾翼は斜めに削ったスペーサー(1.5mmバルサ板)を胴体上Lアングルに貼って、迎え角を1.5度程になるようにセットした。 
<主翼取り付けのアライメントが厄介な3点支柱のフォッカーDZも、同様の手法>
<「UDET」で主翼取り付け角をミスしてとんでもない頭上げをしてしまい、取り付け角修正で見事安定性能発揮した教訓を生かす>
今回初採用 2mmステンレス・ワイヤの脚柱。(秘蔵の日本土産放出です)
従来のチャリ・スポークは余分なストッパーなど不要で軽量化に役立つのだが、このヘビー・クラスにはなんとも強度不足。
主翼支柱は従来どおり、4mmカーボンパイプ+ピアノ線のコの字を差込み。前支柱下端は脚止めベニヤ上面まで貫通してガッチリ、
カバーリング完成後 最終組立、アライメント確認時点でエポキシで接着固定。
プランクは1.5mmで貼ってサンディング仕上げでツルスベに。
厚みの余裕を仕上げに生かす。結果的にほとんど1mm厚。

支柱もバルサ接着、涙滴型に成形してヒシチューブカバー。
脚柱も同様に仕上げ、PETでスパッツ部分をつくり、包んでビス止め。
ここは前作のアイデアを踏襲。

コレにて胴体鳥かごは見事に完成、一件落着。
あとはいよいよ難物のライカミング9気筒。
2007年 10月 26日 主翼は完全新規で若干薄翼にアレンジ
基本工作はほとんど踏襲。でも翼厚は若干薄め。スパーは4mmバルサ角上下の一般的な方式に変更。
前縁上面ハーフ・プランク。中央部は1mmバルサプランク。そしてリブキャップも。
前縁下側を反り上げた半対象に近い翼型。
一回り大きい1/12サイズ。ニューポールなどの小型機の1/10と同格の大きさ。
縦通材、プランクの多い丸型胴体。心配な重量は・・・この状態では1/12.5の従来型とほとんど変わらないのです! ただカバーリングは確実に重くなる。でも翼面積が増大している分、翼面荷重はかえって低くなりそう。
 何事も経験値。ドンドンよくなる法華の太鼓・・・初めからコウできたら良いんですがねぇ。。。
 いよいよ大詰め ライカミングエンジン製作開始 
@ 2mmベニヤをサンドイッチのハムに。
A 金ノコで溝切り、カッターで整形。
B 5mmバルサのチップをシリンダーごとに貼り付け。
   裏表貼ったら、芯のベニヤの形に合わせてカット。
   丸ヤスリ、ペーパーでサンディングして丸くする。
C 5mmバルサ貼り合せで、リヤ・マウントベース、
   クランクケース前後、マフラーを製作。
D 接着前の仮組み。
   前の穴はモーター取り付け後現物合せでカット。
あとはシリンダー・フィンの切り込み。焼きいれナイフの刻み込み。 左右2X裏表2X9シリンダー=36回切り込むのです!

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2005年 10月 01日  ボーイング・ステアマン 海軍仕様 N2S−5 製作開始

Boeing Stearman N2S-5 KAYDET
ようやく手に入れたKORIAのブラシレス! ではこれで???

ブラシレスの利点は単にパワーのみにあらず!
そのコンパクトさを生かすには、ただ前にくっつけただけでは
BLを作り出した人に申し訳ない。

何とかこの小さいモーターをエンジンの中にスッポリ
うまいこと埋め込めないだろうか?

そこで思いついたのが空冷星型エンジンのクランクケース内に!
といっても1/12クラスではチョット難しい。が!
旨いエンジンがあった!!!

陸海軍共通仕様になった ステアマン KAYDET
N2S−5(NAVY)/ PT13D(ARMY)
ライカミング R−680−17 空冷星型9気筒
このエンジンはクランクケース前に集合排気管がある!

かくて ステアマン N2S−5に決定。
コレダ! この集合排気管いっぱいの円筒なら、
1/12.5縮尺で直径約4センチ。
コレなら中にきれいに納まる。さて ではマウントは?・・・
フロントの壁に直付け?・・・これではスラストが解消できない。何とか機体にマウントできないものか?

そうだ!防火壁にラジアルマウントで固定して、その外側にダミーエンジンをスッポリかぶせればいい!
前からモーターの先端(尻端?)が少し出っ張るとクランクケースっぽくもなるし!

これこそ ブラシレスならではの使い方
あまりにメジャーすぎて色々なキットや完成機が発売されているから、ちょっと作る機にはならなかった。
しかし、カーチス・ジェニーにはじまって、Ni17から甲式三型へ、そしてDH60MOTHと作ってきた
名作練習機のシリーズ。是に加うるにステアマンなら申し分なし。
早速お絵かきを仕上げ、といったところで例の1/12では デカイ! さすがアメリカさんの機体、複葉練習機でも他の機体より一周りは大きいのだ! そこで苦慮して適性寸法を・・・ってことで 1/12.5で落着。 いつもの手順とは違い、BL搭載のアイデアを試すにも、まづは肝心のエンジン部分から試作の開始だ!

2005年 10月 13日 遂に完成 N2S−5 ステアマン!!! こちら「EP」で完成機をどうぞ
製作過程
2005年 10月 01日 シリンダー作りが難題だ!!!
2005年 10月 02日 ライカミング R−680−17 なのだ!
2005年 10月 05日 胴体下半分?ほぼ完成
2005年 10月 06日 どうですか? 胴です! どうでしょう?
2005年 10月 09日 翼もやったり。翼できました。

2005年 10月 01日 1日1本?(サイアム・サトーの酒じゃナイ!)シリンダー作りが難題だ!!!
バルサの筒のクランクケース。後は機体最前端のマウントカバー部分、まえはグルリ集合排気管。これをモーターにスッポリかぶせ、防火壁にビス止めすれば、着脱自在。
量産しなけりゃならないシリンダー。9X?・・・でも意外と難しいものではない。
バルサのチップを木目互い違いに貼り重ね、センターにドリルで穴を開け、3mmビスを通して締める。そしていつものドリル旋盤でグイ〜ンと回せば一丁上がり!3角ヤスリでスジスジを入れればもう立派にシリンダー? プッシュ・ロッド、オイルパイプはつまようじ、排気管はヒシチューブ成型?(曲げた針金に通してあぶる。そのままきれいなカーブが出来るのです)、プラグ・コードは針金プスリ(ただし前一本だけ、見えない後は手抜き)。 
実寸大の絵をプリントアウト、にらめっこしながら寸法を合わせてシリンダーを・・・
モーターにスラストをつけても、外周で2mmほどの空間が出来る。冷却にも好都合。
モーターはラジアルマウント。この内周いっぱいにマウントベースを作り、胴体先端の防火壁に貼り付ける。
モーターサイズ(長さ)にあわせてベース板にスペーサーを入れればいいので、どのモーターでも搭載可能。
AXI型のリヤ・マウントなら4センチの内径に楽に収まる。(このKORIAは3本足でちょっと長かった)
KORIA RTC製格安品(リヤマウント、ペラアダプターまでセットに入ってる)約5500円は親切価格だ。 マウントが3点止めなのがワザトラ? でもさすがKORIA、製品としての仕上りはCHAINAよりはるかにイイ。
クランクケースが9g シリンダー1g未満X9 で どうやら20g未満で空冷星型9気筒ライカミング・エンジンの仕上がりです。
さてさて 一機に9本のシリンダー、机の上がキノコ?畑になっちゃいそう・・・わたしゃキトー師?

2005年 10月 02日 2日で1台 ライカミング R−680−17 なのだ!
日曜日丸一日がかりで飯も抜き、入れ込むと何もかも忘れてしまう、B型猪 性格丸出し
案の定根気との戦い。一段落したら一服、今日は煙草の吸いすぎ。なんとも健康によくない作業だ・・・
ブラシレス(2212サイズ)
仮組みしてパチリ
実にピッタシ! 
サマになってるゾ。

写真下の 
エノキ茸みたいなのは
針金プラグコード
塗装したシリンダーに
プスリ でGOO!

曲げた針金と
ヒシチューブで
排気管を成型
これがナイス!
ちょっとライターで
あぶって(一服しながら)
スルスルっと抜けば
ハイ! 
見事なカーブパイプの
出来上がり!
瞬間でチョンでOK、
実にうまい
GOODアイデアが出た!

これで モーターのケースが銀色だったら まるごと星型エンジンそのもの・・・じゃないかね?
果たして結果は・・・
モーター入れて94g、KORIAブラシレスがアダプターつきで71g、差し引き エンジン本体23g!で完成
ブラシレスのメリットを半減しても、これでも400GDよりはるかに軽い。このオマケのゆとりこそBLのメリット!?

この23g、飛ばすにゃいらないもの・・・でも 有ったら楽しい!!! 
こんな余分な重量喰いは 電動FFやアクロをやる人にとっちゃキチガイ沙汰だろう。
でもスケールに喜びを感じる人間の価値観はまったく別物。独り悦楽境の世界ナノダ!

2005年 10月 05日 胴体下半分?ほぼ出来上がり
Ni28でつかった手法をさらに進化させて単純化。お得意のバルサLアングルと井桁の胴枠で四角いセンターフレームを、アルミ厚板に直にライン引きしてその上に直接仮接着で組み立てる。狂いもよじれもまったくナシ!実に簡単で手早く仕上げられる。
楕円形の胴枠に接する四角形の上の辺を水平に基準線としてまづ四角な骨組みを組む。そこに半円型の胴枠板を貼り、現物あわせで位置決めして縦通材を貼ってゆく。
主翼取り付け部分は5mmバルサを貼って翼形に合わせて切り出す。 ↑ 加工前
↑ 仮加工後
脚取り付け部は2mm航空ベニヤ3枚重ねで。(曲線切り出し、サンディングがツライ!)
切りとった中央板は差込固定板になる。↓
↑ 航空ベニヤに直書きして翼型を切り出し、取り付け角を慎重に合わせながら、カーブにあわせてバルサを削る。これでフレームの強度も出るし、丸い胴体でも翼の取り付け位置はしっかり決まる。
ラダー直結連動尾輪も、実機同様に。

胴体最後部は三角形に整形、

バルササンドイッチに尾輪軸をはさんで接着。


ちゃんと起こして、エンジンを仮止め。 Wu〜ン ステアマンのムードが出てきたゾ  u(^o^)」 乾杯!
まずは第一段階成功、あとは縦通材を張り巡らすだけ。丸い鳥篭はどのくらいの重さになるか???

2005年 10月 06日 鳥篭胴体 ほぼ完成! あとは1mmプランクのみ
前から 後から どうぞ・・・

真後ろから見るとまさに鳥篭
 というか 水戸納豆というか・・・

なんだか宮崎アニメに出てきそうな
古典コテンのレトロ・イメージ!

こりゃ パイロットは ドーラ婆さんかな???

さてさて、お後はヨクできました、翼できました。
今宵はこれにて一件落着
 またまた一服・乾杯 ぷは〜

2005年 10月 09日 翼もできて ほぼ機体生地完状態に
なぜか上と下とで翼の造りが違う? 
先に仕上げた下翼はプランどおり前後を1mmバルサで上面のみのハーフ・プランクに。
エルロンの付いた翼だけにしっかりと組み立て、捩れやヨレがない。表面の仕上がりも滑らか。
・・・がしかし 下翼生地完成でなんと65gにもなってしまった。
やむなく 可動部のない上翼は極力シンプルに軽くするため、前縁後縁のみ巾狭のプランクにして
あとはリブ・キャップに変更。エルロンがない、上半角カンザシもなし、とはいえこれで43g。

過ぎたるは・・・で、軽量が命の電動機に高級エンジン機なみの細工はあきらかに強度過剰。
ここら辺がつらくとも妥協しなければならないところ。
結局この半完成状態ですでに285g! さらに軽量フィルムとはいえカバーリングで約30g〜、
脚や支柱の小物も含めると、300gオーバーの重量級になってしまいそうだ。
だが BL+3Cのパワーならこれくらいの重量過多はまだまだ余裕の範囲、苦になるものではない。

BL+3Cリポのパワーをどこに生かすか?
軽量機体で飛行性能をグンとアップさせるのが通常。しかし ブラシモーターでも飛行可能な機体なのだから、
スケール派としては余裕パワーをディーテール・アップの重量に回したくなるのが人情。

実際に形になってみるとよくわかる。
同じ複葉機でも、やはりWWU世代、
独のユングマンも同様
WWT時代の古典機とは
まったくコンセプトが違っている。

胴体の割りに短く小さめの主翼、翼型も対象翼に。
脚もストラット内装の単脚。

あらゆる点が無駄なくバランスよく
まとまっている。やはりステアマンは名機たる所以。
さてさて 残る小物をどこまで軽く仕上げられるか??? 完成目指してもう一フンバリ!

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