工房日誌 製作ダイアリー
ほとんどスケール #34
 「ビュッカー ユングマン」V 
GWS400C+リポ仕様で特製ユングマン 3代目 受注製作。

ユニオン280→GWS350→GWS400とその都度パワーアップされてきたが、実際今回も400サイズではやはり1/11スケールが正解。
8ヶ月の月日は過去の製作機をことごとくスケール向上で改修。400搭載で完璧な飛行を見せてくれた2号機を参考に、今回は実機図面と照らし合わせ、各部を徹底的にスケール・アップ。それぞれほとんど完熟していたユングマンだったが、実機スケールからするとかなり細部が異なる。そこでまたまた新規作図しなおし。
そこで気がついた実機の翼の小ささ!胴長ともいえる。縦横比がまるで違ってるのだ!
WWU時代、メッサーシュミットBf109が飛んでる時代の複葉機なので、WWT時代の機体からはかなり近代化して、練習機とはいえかなりな高翼面荷重の戦闘機的なスポーティーな設計だ。今日でもまだ愛用者がいるくらいの名機なのでその性能はまさに現代的だったといえる。 しかし実機縮尺では1/11、まして1/12では絶対的に翼面積が足りない。そこでやむなく翼巾を15%ほど延長してやっとどうにか充分な面積となった。
さんざん図面首っ引きで作図したが、出来上がってみるとほとんど前作と変らない寸法。だが胴体前後長さや翼平面形などまるで別物同様なのだが・・・いざ組み上げてみると・・・どこか違ったか??? いや確かにより実機のイメージに近くはなっているのだが。。。
2005年 08月 28日ユングマン V 機体生地完成
基本的な骨組みは2号機同様、ノーズが伸びた分リポ室は防火壁から後に。カウル内部は400Cいっぱいのサイズ。
今回もてこずった翼支柱の位置決め。キチンと整列させるには、上翼を先に作りステー固定位置を確認してから、胴体からの長さをチェックして、位置を決めなければならない。したがって穴開けは現物あわせで丸棒ヤスリで慎重に。。。
ここがユングマンの最大の泣き処。前後左右に傾く支柱の位置は平面の図面上では確認できない。
当然最終的接着固定はカバーリング終了後に主翼を仮組み立てした時点でとなる。
仮組み・分解・再組み立ての三度手間X数回。。。もうユングマンはこれで打ち止めとしようか、それとも値上げか???
ほとほと 音を上げてしまう。 が、それだけに思い入れもひとしお・・・
翼舷拡大の関係から充分すぎる面積になるので、エルロンは下翼のみ、幅広、長めの翼端エルロンに。
ダイレクト・ロッドで1サーボ 胴体内側組込みとしてスケール感もアップ。
これでも主翼は1リブ分 左右5センチ延長した。実機は胴体の割りにきわめて短い翼なのだ。
主翼は上下とも上半角付きなのだが、他の機の飛行特性の経験から上翼はフラットに。
下翼は上半角が付くので、見る角度によって後退角が少なく見える。
胴体サイド、ボトムの縦通材で滑らかなカーブを出す。
エアロンカ以来流用品だったモールドも新規作り直し。カウルの合わせ目も実機同様の形に。
下翼フィレットはフィルム貼り完成後に接着追加とする。

こうした細部の仕上げにこだわると、いつとはなしに重量が・・・結局 機体生地完成220gに
350ベースの2号機とさほど変らない工作なのだが、 今回も 計画値+約20g近い増加となってしまった。

機体の大きさ比べ
1/11 VS 1/9フリッツァー   1/11 VS 1/12ニューポール17   1/11 VS 1/12DH60モス

1/11でもかなり実機は小ぶりな機体であることがよくわかる。 
ピンク線の実機スケール翼サイズだと、胴の割りに小さな翼で意外と近代的な設計なのがわかる。
この機体の翼にあわせた縮尺にしたら、胴体はさらに長く実際1/10以上の大きさとなってしまう。
かといって翼をスケールサイズに小さくしたら、その分さらに50g以上軽量化せねばならず、
当然ディーテールを手抜きしなければならなくなる。どこかに妥協点を見出さなければならない・・・

350Cでも充分飛行可能だった ニューポールと同等、モスより小ぶりな機体で、
400C+3セル搭載分重くなって全備重量も500g程度になるが、充分なパワーなので、
当然かなりな飛行性能が期待できそうだ。

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