工房日誌 製作ダイアリー
ほとんどスケール 紅の豚 マダム・ジーナの飛行艇 (特大1/11サイズ)
定評のジーナ艇もついに最大級 2217クラスでも一回り大き目の機体と大翼面積で、ゆったり飛行の大型艇を。

紅の豚に登場するマダム・ジーナの飛行艇は宮崎アニメ独自の架空の機体。
でもモデルは実機サヴォイアS13複座飛行艇に間違いなさそう。
そこで実機サヴォイアS13の寸法をベースに、縮尺機体サイズを割り出すと・・・

ポルコのサヴォイア2217とつりあいの取れるサイズとなると、かなり大型になってしまう。
同じ2217クラスで釣合うサイズとすると1/10くらいが妥当なのだが、
 これではデカすぎて(1380X990mm) 2217ではとても無理。
かといってパワーソースに見合った大きさとすると1/12くらい(1150X820mm)で、
 これでは小さすぎてサヴォイアとまるで釣合いが取れない。
以前2217で1/10ビッグサイズのカーチス・ジェニーをゆったり飛ばした実績からすると、
どうやら1/11くらいまではいけそうだ。
何度も作画して大きさを比較してみた結果、1/11(1250X900mm)が妥当なせんとしてこれに決定。
当初の思惑は無残にも大外れ。モーターの選定が悪く初号機は2217では離水不能。ベテランオーナーの手で
28サイズに換装して見事飛行成功。
その後2217クラスは1/12サイズに変更して2機製作。

1/11 2号機は、2814搭載で再設計。外観もDVDを何度もチェックして
よりアニメに近い翼形状やディーテールに再検討。

1/11 3機目製作にあたり、更なる画像検証して 主・尾翼形状を新設計。
徹底的にアニメのイメージを再現。


元祖2205クラス
ミニ飛行艇


大型2212クラス

特大型2217クラス
(1/12)

特大型2810クラス
(1/11初)

特大型2814
(1/11 #2)

特大型2814
(1/11 #3)

 2015年 1月 特大 4号機 1/11 2814(前作踏襲 部分小改修)

 2014年11月 特大 3号機 1/11 2814(DVD再検証 主・尾翼全面改修)

 2014年 8月 特大 2号機 1/11 2814(DVD版 ディーテール修正)

 2012年 4月 特大 初号機 1/11 2217(後日飛行時に28クラスに換装)

2015年 1月 2814搭載 特大型 1/11 4号機 (前作踏襲)
 ほぼ完熟に域に達した特大ジーナ艇 今回は小部分の改修で
 ノーズの甲板張りを改良 梁は直角方向であるべきで・・・
 中央支柱 櫓組みは最重要ポイント ここで上下翼のアライメントが決まる!
 主翼後縁部分を小改修 薄板にして後縁上面に補強を追加
 生地完成重量645g 見た目は全く変わらないが 気持ちだけでも軽量化


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2014年 11月 2814搭載 特大型 1/11 3号機 (DVD再検証版)
 前作で外観を大幅に変更したが、今回はさらにDVD画像を再検証。アニメのイメージを追求。
主翼はほんの少し幅が短くなるが、基本的に
十分すぎるほどの翼面積だから全く問題なし。
エルロンをアニメに忠実に 支柱外側の翼端部分のみに。
(但し下翼の連動翼端エルロンは省略)
上下翼共 上面フル・リブキャップで強度剛性も向上。

尾翼もさらに形状をリファインして
アニメイメージそのままに再現
↑ エンジン・マウントBOXも小改修して
  中央支柱差し込み接着部分を補強・強化

← 翼間支柱は1mmピアノ線を貫通内蔵で強化。
  上下のビス止め部分を長穴にして、
  翼取り付け角、アライメントの微調整を可能に。
操縦席ハッチ後ろのコード通し穴を主翼前縁位置に変更。
ここにグリスを滲み込ませたスポンジでも詰め込めば
防水性はさらに向上するはず。・・・とはいうものの
単に外観上の見てくれだけ?の自画自賛かも。。。
基本構造や工作もほとんど前作と変わらないので、生地完成重量も652gと大差なし。
これくらいの大きさになると、些細な変更はまず影響はない。 外観がよくなった分だけオマケ!ということか。。。

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2014年 8月 2814搭載 特大新型 1/11 2号機 (DVD版)
 久々に特大1/11受注に際し、従来の既成概念を捨て新たに紅の豚DVDで徹底的に再検証。
 (なぜ最初に気がつかなかったのか? ミニ飛行艇を作った時からそのまんま踏襲していた)
 あらためてじっくり観察すると、シーンによってけっこう絵に違いがある。
 支柱や翼端フロートの位置、エルロンの巾、下翼中央部の色(白/茶色)・・・あれこれ思案しても仕方がない。
 そこでRC機と割り切ってセオリー重視でイメージ追求 そんな折衷案でなんとか新型に。。。
 従来型の根本的な修正は翼の形状。翼端形状がぜんぜん違ってた。水平尾翼もまるで別物。
  垂直尾翼だけは合格、でも少し背を高くして縦長に修正。
  エルロンは上下連動で翼端まで→上翼のみで内側に幅を広げて。
  中央エンジンマウントの斜め支柱は前後逆に=モーター部の強化のため。
  ラダーの上部バランス斜めカットは省略 ストレートで。ラダー連動で小さな水中舵を追加。
  排気管は両側にある! マッキみたいに直列エンジンだと思ってたら・・・これはV型積んでるのか?
 ともあれ 前作の経験を活かしながらさらに思案を重ねて 製作開始
 側板は組立後切り取り方式はやめて、最初から形を決め、胴枠に下駄を履かせて位置決め。
 尾翼は艇最後部の切り欠きから差し込み式。ラダーの下に水中舵を追加。  艇内はプランク前にラッカースプレーで防水塗装。ここでリンケージを組み込むのは定番。
 エンジンマウントは前作の治具をそのまま利用。マウント壁にはスラストをつけて。
 支柱はお馴染み?カーボンパイプ+ピアノ線輪っか+ビス止め。上翼は皿ナベタッピングで。
 下翼は前後タッピング2本で。操縦席のデカいハッチはダウェルをやめて前方ビス止め、後部は回転式のヘッドレストで。
 水平尾翼はまったく新造、なんとなくデハビランド風の丸みを持った感じなのだが、前後はシンプルに直線で。
 垂直尾翼は少し細めで縦長に。(もうちょっとトンガッタ感じても良かったかな?)
 エンジンマウント支柱は斜め支柱を前後逆に。モーターマウント部分の強化にはこっちのほうがイイような・・・
 モーターBOXカバーは前はダボで後ろを左右ビス止めにしてシッカリ固定。(振動、騒音対策?)
 前面のラジエターの裏は丸穴で風が入る。箱の中にあるESCの冷却に一役。
 エルロンは上翼のみ(軽量簡素化と下翼の剛性、強度の確保のため)で、幅を内側に拡大。
 コードトレー式密封防水翼はサボイアなどと同形式。前作サボイア同様にサーボはビス止めハッチ式に変更。
 しかし矩形の下翼翼端はまるで現代の軽飛行機みたい。なんとなく時代設定にマッチしないなぁ・・・
 艇ノーズ部分を延長。ステップを中心に艇前後の長さ比率を理想的に修正。
 まずは一件落着。イメージもぐっとアニメに忠実に。生地完成重量は660gとほんの少し増加。
 とはいえパワーも十分、これだけデカイ翼面積だから ゆったりリラックス飛行間違いなし。

2012年 4月 2日 2212クラス ジーナ艇 1/11 製作開始
だんだん出来て来るとやはり迫力のボリューム。2217で果たして旨く飛んでくれるか?と不安になってくる。
でもデータを計算する限りでは十分余裕で飛行可能なはず・・・意を決して製作に没頭。
艇後部の反りあがり分の下駄を履かせて上面フラットな側板で組み立て。まずは平板上で艇底面を仕上げてしまう。
↑↓ チャインもここで作りつけて下地完成にしてしまう。  ↑ 台から剥がし下駄部分を切り取って艇体上面を整形。
→ 支柱取り付け部(2.5mmベニヤ2枚重ね)を内部補強とともに艇上部に接着。
↑↓ 先に尾翼を仕上げ、リンケージとガイドパイプをセットしておく。 ロッドは2.5mmカーボンパイプと1.5mmアジャスター・ロッド。
↑ 操縦席を丸ごとハッチにして、デカイ開口部が出来る。 コード通し部分も含め防水対策は厳重に。
  さて、ロックはどうする??? =窮すれば通ず= ヘッドレストを回転式にしてハッチのロックに。「(^-^)b
いよいよ最大の山場 エンジンポッドと上翼の支柱の製作
2205ミニでは竹丸棒だった支柱も、
最大級2217では5mmカーボンパイプで。
モーターマウントBOXに上下から支柱を差込み、
X型の櫓を組み立てる。支柱は前後とも傾いているので、
単純に直角で高さを決めることは出来ない。
しかも支柱根元は艇にビス止めなので位置の正確さが重要。
このクラスになると厚紙でゲージを・・・なんていう方法では
まず正確に組み立てるのは困難。 そこでバルサで
原寸の足場になるゲージを作って、厳密に位置決め。
↑ まずは、マウントBOXに主翼取り付けの支柱を接着。 ↑ 続いてエンジンポッド支柱を組み立て。 
ここでは瞬間点付けで仮決めにして、艇にビス止めして再度位置を確認。それから接合部をエポキシでガッチリ接着。
↑ 硬化するまでに何度も慎重にチェックして位置を確定。それから斜め支柱を4mmカーボン◎で取り付ける。
  接着部はカーボン糸で縛ってエポキシで固着させる。ビクともしない頑丈な櫓が完成。
上下翼の組み立て
先にマウントBOXを完成させて=(これが思いのほか大仕事。 散々悩んだ末にPETモールドはやめにして、
バルサスクラッチビルトのカバーに。後部下ベルクロでワンタッチ分割取り外し式に。)、そしていよいよ主翼の組み立てに。
@上翼に翼支柱をビス止め→ ABOX前支柱を艇にビス止め→ B櫓を前に傾けておいて下翼を艇にビス止め→ C櫓を起こして後ろ支柱を艇にビス止め ここに来て下翼付け根が艇にぴったりでビスが止められないことが判明。何たる短慮。。。下翼根元に切り欠き加工して修正。
こんなことばかりやってるから、最初のプランも完成までに何度も描き直されるのだ。。。
翼間支柱も強化、カーボンパイプ+バルサ+シュリンクカバー、上下ともビス止め、更に テグスのX張線
主翼エルロンは最近作の他機同様の密封主翼コードトレー式。
梱包の関係で上翼(巾1250mm)は中央分割式、フラットな直線矩形翼なのでカンザシもシンプルに。
軽量化のため最初はプランク、リブキャップなしでシンプルにと考えていたが、やはり剛性と強度を考えるとどうしても手を抜けない。
そのため上下翼ともハーフプランク+フル・リブキャップにしたためどうしても重量はかさんでしまうのは止むなしと・・・。
2012年 4月 15日 ようやく生地完成に。
作りなれた、シンプルなデザインのジーナ艇だから、比較的楽に軽量に仕上げられると思っていたが、やはり大きいということはそれだけの重量増加は必然で、結局生地完成で645gになってしまった。
とはいえ単葉で同じ2217クラスのサヴォイアとほぼ同等、しかも複葉で翼面積は倍近い(1.85倍もある)から、翼面荷重は30gデシにもならないので問題なし。確かにスピードは期待できないが、本来ゆったりおとなしく飛ぶ設定なのだから十分だろう。

拙作過去最大の飛行艇が誕生 2217クラス最大の1/10カーチス・ジェニーと並べたら・・・
やはり出来上がっていざ並べてみると、その大きさがズシンときて またまた不安がよぎる。
いかに大きな機体とはいえ1/10ジェニーは全備でも900g程度。それでも苦もなく飛翔したのだが、
如何にせんジーナ艇はボリュームのあるボート、果たして・・・
ご依頼主の「ゆったり飛ばすだけ」というお言葉についつい欲が出て、すでにお手元にあるサヴォイアと
仲良く並んで見ごたえのある最大限のサイズにしたのだが・・・
ともあれ、ムードは最高の高級ジーナ・ボートに仕上ることに専念しよう。




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