工房日誌 製作ダイアリー
フォッカー DRT  

Fokker DR I
もともと小さいDR1、他のスケール機と同じ1/12では
60X50センチとパーク・サイズにまで小さくなってしまう。
1/10でも 72X57センチしかない。

このサイズなら使い慣れた大ヤカン(Bm2810−12)でバッチリ。
とにかく前後長が短く、鼻ペチャだから、思いっきり前に重量物を集めないと必ずテール・ヘビーになって、急旋回どころかアップ・アップ、プカプカで手に負えないじゃじゃ馬になってしまうこと必定。
そこで10センチのデカいPETカウルの外から見えない上半分に、アンプ、Rd、EDサーボを詰め込んでしまおう。
約40gほどのメカや電線を鼻先に集めればCGあわせもグッと楽になる。
ということは胴体内部は受信機だけでカラッポ、腕に覚えのある方なら間違いなくコックピット内部まで造作しちゃうことでしょう。

あまたある市販のキットや完成機に引けをとらないよう、闘志が燃え上がる。
 有名なフォッカー機といえば、WW1初期 同調機銃で暴れまわったアイン・デッカー、でも同社の戦闘機はアルバトロスの陰であまりパッとしていなかった。
続いて試作したD5はアイン・デッカーを踏襲したフル・フライングのテールの複葉。上翼は視界確保のため低く、後退角を着け、フル・カウルにデカいスピンナーつきという習作で、胴体前半分はDR1そっくり。
英国のソッピース・トライプレーンに刺激され、3枚羽根にして尾翼を固定式にしたら・・・あららDR1になっちゃいました。
リヒト・ホーフェン等の名パイロットの活躍でいきなりメジャーになったけど、やっぱり一般の戦闘機としては速度も今ひとつ。羽根がもげちゃう事故続出で短命に終わった。
ゲッチンゲン翼型のモノ・スパーの分厚い翼で、当初試作機は翼間支柱もない大胆な設計だったが、やはり圧倒的に強度不足で、一枚板の翼間支柱を追加。 ル・ローンをパクッたオベル・ウルゼル110HPなのに、速度が低いのもこの翼型のせいだった!かもね。
そしてダイムラー/ベンツ・エンジンの名機D7へと血がつながって・・・鋼管スペースフレーム、鋼管3本支柱などフォッカー機特有の設計で・・・ でも三角形の尾翼もラダーもどことなくまだニオイが残っている。。。
そして最後はパラソル単葉の「空飛ぶカミソリ D8」へと・・・なんだかDR1の下の羽根をとっちゃって、D7のテーパー厚の翼をつけた・・・みたいな感じが。。。

とにかく、ドイツの技術は飛びぬけている。WWUまで脈々と続いた航空先進のノウハウは、勝った奴等がみんな分捕ってパクっちゃいましたとさ。。。

2008年 2月 25日 リクエストにお答えして、最もメジャーな三葉機に再挑戦
はじめにカウルありき。 新作機は図面が出来たらまずカウル。このあと脈々と現物合わせが続くのです。
まづはPET成型のカウルと、それに合わせた防火壁から。スラストをつけたモーター・マウント・ベースは直付け。
周りを囲む壁は、ラダーとエレベーターサーボ取り付け台、アンプの格納場所。
ついでに脚固定部も防火壁裏側に直付け。
デカい三角形の水平板は、迎え角(ダウン)が着いている。したがって胴体の1/3ほどは下がっているからちょっと厄介。その部分だけLアングルを継ぎ足して段差をつけ、左右を同じ型に慎重にチェック。
それにしても短いワ。。。これなら縦の運動性はスルドいだろうが、水平安定版はデカくなきゃなぁ・・・
カウルもいつものとおりにはいかない。絞ったPETボトルの口の部分は大きな切り欠きになる。
DR1の特徴とも言える「お面」みたいな○穴の空いた前板がなければ・・・ そこで一ひねり
中央の平板を別に作り、カウルの周囲と「スポット溶接」? 焼いたピアノ線で突き刺してはつぶす焼付けで。
中央翼は一本ものなら工作も楽なんだけど、跨いだ支柱をくぐらせることは出来ない。
ARF工場製品なら支柱をネジ止めかなんかにするだろうけど、やはり細い鋼管のイメージにはピアノ線で固定したい。そこで左右別体でカンザシに差し込むことに。
というのも訳アリで、一枚板の翼間支柱を中央翼貫通で一本モノにしたいから。
安手のARFのように上下別々ネジ止めでは、直線も出なかったり翼のアライメントが狂ったりするから・・・
そのためには中央翼だけスパー位置をずらしてリブに支柱のスリットをつけなければならないので、3枚とも同じ作りというわけにはいかない。であればいっそのこと・・・ということで。
カンザシは2mmピアノ線(タイの安物ピアノ・ワイヤはやたら焼きが堅いのが幸い)を前後2本バルサのトンネルに貫通。翼の根元がガッポリえぐれていて前半分ほどしか機体に付かないので固定はシッカリと。翼内部に付けるガイドは4mmカーボンパイプで。
コントロール・ロッドもプランクする前に組み込み。 尾翼も出来!スケール寸なのにヤッパでかいワ。 
2008年 2月 28日 胴体ほぼ完成 っていってもまだまだ。。。
上面、側面のカーブはプランクで滑らかに。 中央支柱はピアノ線で左右差込式に。
 脚はリヤ・ステーもピアノ線で強固に、付け根はハンダ付け。後部は下翼にビス止めで。
  支柱も脚柱もいつものようにバルサを貼って涙滴型にして被子チューブでシュリンク。
   ・・・おっと台形のリヤ・ステーにはチューブを通せない!ここだけは紙巻き瞬間硬めで。

   あとは車輪と シュパンダウ機銃X2と ダミー・エンジン。。。で胴体完成へ。 やっぱ重くなりそ〜
2008年 3月 1日 ダミーエンジンは下半分
DRTのカウルは下側が切り欠き、上半分は前板つき。したがって外から見えない上半分は省略。
オバル・ウルゼル110HPっていったてル・ローンのコピー、したがって外形はNi17もおんなじ。だから裏面のプッシュロッドは省略だけど前側はシッカリと。工作はいつものとおりバルサクロス積層に焼きナイフのフィン刻み。
サーボマウントにビス2本で取り付け。これでサーボをサンドイッチする。一石二鳥の実用お飾り。
2008年 3月 2日 主翼は真ん中が大仕事
下翼、上翼はスンナリと。前だけプランクで強度充分。
・・・かつてまだ電動機を作り始めた頃お試しで作ったDRTは実機と同じにBOXスパーにした。その訳は
 翼間支柱なしでも充分なくらいの剛性を持たせたかった=これ実機と同じ発想・・・んで=重すぎの失敗作だった

中間翼はカーボンパイプとピアノ線で左右別体差込式に。胴体に2mmピアノ線を水平平行に差し込み固定。
案ずるより生むが安し。定盤の上で左右組み立てればアライメントは実に簡単に決まる。はずだったが・・・
微調整はガイドのカーボンパイプの位置決めで、数回やり直してやっと完成。
上下翼よりスパーの位置が前なのは、翼間支柱を貫通させるスリットをよけるため。
2008年 3月 4日  おまけも多くて意外と手間喰い・・・やっと機体組立完成!
手間喰いの犯人、ダミーエンジン、リベット止め?カウル。そしてシュパンダウ機銃2丁!
シュパンダウはヴィッカースよりずっと厄介、放熱カバーの穴が長穴なんだもの・・・実機写真を元に、先を平らに削った焼き2mmピアノ線でジュワ〜。格闘数時間の苦労の作なのです。排莢カバーは被子チューブで実機同様のソフトな感じを再現。
脚間の小翼は輪ゴム1本のワンタッチ取り付け。両端に脚の三角形とピッタリの刻みをいれて下から輪ゴムで固定するだけでビスや金具などナシで簡単に固定できるのです。主翼との平行をあわせながら慎重に刻み込み。位置が決まったら瞬間垂れ流しでガチンガチン。
量産品では絶対に出来ない「手作り現物あわせ」の強み!アイデアと手間の勝利じゃぁ〜
上翼取り付けは例によってPETパーツとビスで。実機もウィークポイントだったせまい取り付け間隔・・・固定はタッピング・ビス2本で。 ここら辺は小さい模型の方が、実機より数段に高い強度と剛性が出せる。
機体生地完成で 296g
 複葉のNi17よりわずか数g増で仕上がった。

モーターとサーボを組み込んだ生地完成状態でこのバランス。これならカバーリングで尻重になっても、ノーズに20gのアンプ、50〜85gのリポを搭載するのだからCGは全く問題なし。 
( 二回りも小さい、半分くらいの重量のパーク・シリーズ機でも、使う材料はほとんど変わらないのだから、小さいほど難しくなるのは当然。機体が大きくなればなるほどこの辺が楽になる。 が・・・オマケの手間がグンと増えるのが泣きどころ。。。)

いよいよ カバーリングで宿願のDRTも完成へ。 やっぱ 最メジャーな リヒト・ホーフェンの真っ赤赤 なのです。。。

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