工房日誌 製作ダイアリー
2008/06 ほとんどスケール #104 フォッカー DZ #2 (Taper Wing)
2006/10 ほとんどスケール #70  フォッカー DZ #1 

ほとんどスケール #104 フォッカー DZ #2 
再度フォッカーDZ製作の機会が・・・
初回も悩んだテーパー厚の主翼、斜めのエルロン・ヒンジライン
今回は発想の転換でうまい工作方法に気付き、再挑戦。

WWT最高傑作と謳われ、戦勝連合国にDZをすべてわたせ!といわせた名機。
名機といわれた裏には、新兵でも乗りこなせる操縦性の素直さ、バランスのよさがある。
張り線ナシで、鋼管を使ったフォッカー独特の三点支持支柱、
翼端に向かい薄くなり下面に上半角がついたようになる主翼、
改良された高性能メルセデス/BMW液冷エンジン・・・
知れば知るほどドイツ航空工業技術の先進性に圧倒される。
 ゲッチンゲンの厚翼は後世の高速化時代には捨て去られたが、戦後はユンカースなどの金属機も翼の強度確保にも似たような翼型を使い、一世を風靡した。
DZは厚みがテーパーなのに矩形翼だから当然、付け根は分厚く翼端は薄い異なった翼型となる。
同じ翼型でとおせば当然翼平面型もテーパーになるはず。・・・というと、、、
 戦後アメリカの初期航空産業はこぞってDZの「いいところ」をパクった。 カーチス・ホーク、ボーイングPWシリーズなど、草創期の米陸海軍戦闘機は、支柱から翼までフォッカーDZをお手本にしていた。
工業力に優れたアメリカらしく、ライト・サイクロン、P&Wといった優れた空冷星型エンジンができてから、グラマンなども加わりアメリカらしい?形に進化したが。。。
なんだか「歴史は繰り返す」で、WWU戦後のジェット機、後退翼、そしてロケット・・・などなど、出所はみんなドイツの英知なのだ! やはり機械モノはドイツですなぁ。 それに引き換え先進 仏、英 航空の凋落は。。。

2008年 6月 10日 フォッカーDZ 新型2号機 製作開始
胴体は前作とほぼ同様、やりすぎたのはバカ穴。1.5mmの側板に穴を空けたところでどれほどの軽量化になるわけでもないが、ついつい。。。結局裏打ち筋交いれるなんて・・・やっぱ「バカ穴」だった。
 ・・・バルサの木目や強度などおかまいなしに、CAD図面上で穴あけを楽しむARFメーカー機じゃあるまいに!
今回、従来から強度不足を承知していた脚を、お得意だった輪ゴムダミーでなく1.5mmピアノ線の補強で。
2008年 6月 12日 いよいよ本命 テーパー厚主翼に挑戦
案ずるより生むが易し! フラット・ボトムで上面直線下面斜めなんだから、テーパーに切り出したスパーをもとに、左右傾けて片側ずつ組み立てれば難なく工作できてしまう。 問題は「リブ」。でも実機の設計でもあるまいし手作り一品なんだから・・・ということで、中央1番と翼端7番だけ正確な型に切り出し、残りのリブ板をはさんで上側を斜めに削りだし。こうすりゃ必然的にそろったテーパーになる。もちろんリブ頭は斜めのカットになるけど、プランクもあるし、組み立て後にサンディングで面一に削り出せばイイ。その分外寸を若干大きめに削っておけばいいわけ。
翼端エルロンのサーボコードを通す中央部分だけ組んだら、丸めた紙を通して接着。外側から丸棒を差し込んでリブの穴に合わせて簡単に紙筒ができる。
後縁バルサ板を斜めにカットし、エルロン取り付け補助スパーを接着。
単純計算でも結果はバッチリ!同じ幅でラインが出た。リブ頭を後でサンディングするのだから上面は綺麗にフラットになる。 下翼のテーパー比を上翼と同じにしたのが間違い!中央の厚みも少ないから、翼端は極めて薄くなってしまう。結果的に下面に上半角がついたようなテーパーにするには思い切って中央を厚くしなけりゃならなかった。。。
反対側にかいものをして持ち上げ、重石でおさえて
片側づつ工作すれば、
普通の上半角0の平らなものと同じこと。

当然スパーは一本モノだから中央のカンザシは不要。
2008年 6月 13日 ほぼ出来上がり間近 仮組み立て
独特な支柱、ノーズのPETラジエターは前作から踏襲。 スンナリと組み立て完了へ。
今回はモーター軸が長いのでノーズの△もより実機っぽくモールドを改修。
ダミーエンジンも アルバトロスでモノにした?「メルセデス160HP」を採用。
機関部側面の金属板部分はなかなか精細な画像が見つからない。そこでハタと気がついた。
引越し荷物にとじこめたままのプラモデルが・・・。

しかし如何に古い型とはいえH社復刻版M社の1/48は時代を感じさせるお粗末なモールド。
それにひきかえE社の1/72はバツグン!説明書のイラストも図面のように正確。これにて決定
側板のルーバーやハッチを厚紙貼り付けでリアルに再現できました。

シュパンダウは実機写真に忠実に
ヴイッカース、ルイス共々作る度に良くなる

主翼エルロンは4gマイクロサーボで
ハッチの中は余裕の広さ。6gサイズでもOK
あとは前作同様 赤とヘル・ブラウ+バルカン・クロイツでカバーリングを・・・

ほとんどスケール #70 フォッカー DZ B.L. 
長年懸案事項?だったフォッカーDZ 機体製作はほとんど問題なし。
悩みはカラーリング、あのローゼンジ迷彩をどうするか?この一点に尽きる。
フィルム貼りでは色がないし、プリント・アウト・ステッカーでは重過ぎて話にならない。

そんなところでリクエスト注文をいただき、遂に実行することに決定。
理由は単純、レプリカ実機の写真を元に、全面レッドに白マーキングで。

練りに練ったアイデアを目いっぱい盛り込んで、久々の新作製作となりました。

2212クラスで余裕のパワー。1/12サイズで重量にもさほど悩まず、けっこう細かい細工も突っ込めそうだ。

2006年 10月 20日 ほとんどスケール フォッカーDZ 製作開始
従来同様のバルサLアングルフレームだが、今回の問題点はリポの収納スペース。大き目のバッテリー搭載を希望なので、シリーズ他機のように防火壁後に縦積みでは高さが足りない。
そこでユングマン、PUPなどのようにモーターと上下に搭載すれば良い。が、DZのペラ軸は下の方。
そこで大逆転、ダミーエンジンをハッチにしてモーターの上に平積みとすることに。
防火壁の上にベニヤのバッテリー室床を直角につけ、ノーズはガッチリ。
機銃部分を持ち上げ、操縦席を下げる。上下を1mmで蓋をするから、これだけで強固な箱になる。
A・フォッカーの英知、鋼管三点支持の支柱をより簡単に作るため、他機同様カーボンパイプ+「コの字」2mmワイヤで前後の支柱を連結してしまい、胴体に3角形に二本補強ステーを差込み、前支柱先端を頂点にして接着する事にする。基本前後支柱は角度をあわせた「くの字」ワイヤをそれぞれの根元で接着、胴体固定部に差し込み接着とする。
水冷エンジン機の長めのノーズはガランドウ。RCメカは重心をあわせながら好きな所に搭載できる。

ダミーエンジンはハッチ、「トの字」ピアノ線でスライド・ロック。ハッチ後部に差し込みロック。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ガァ〜ン ★ ★ ★ ・・・ここまでやって、
左右張り合わせ方式ではどうしても胴枠の整列がとれず、捩れのない完全な胴体が作れない!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ チックソ〜ッ ☆ ☆ ☆
急がば回れ。新作のテストトライとわりきってボツ! 再度新規作り直し。
定石どおり平板の上にスポット接着で基準線以下の胴体をまず仕上げる事に。この方式が一番
確実、正確に狂いのないフレームが作れる。
ここで、脚差込部分、リヤのリンケージガイド、下面のプランクなど、下半分を全部仕上げてしまう。
ノーズは上側のハッチからアンプや受信機なども楽に搭載ができるので、先にプランクしてしまう。
独特なノーズのRを出すために、バルサ・ストリップを帆船模型のような甲板貼りでプランク。瞬間接着剤の威力発揮。
バッテリー搭載はワンタッチ。3S 1300mAでもこの余裕のスペース。
防火壁は胴体内に引っ込んでいるので、
あとは先端をダミー・ラジエターでカバーすれば、
2212クラスBLがピッタリおさまる。

前後に軸が出て、ペラ・アダプターを差し込んで使うハイペリオンタイプのほうが、モーターとペラが離れてラジエターをよりリアル・スケールに作りやすいのだが、残念ながら当地ではハイペリオンはない!
HPコピーの台湾モーターを予定していたのだが、1000KVちょっとの低回転型で使えない。結局実績のあるRTC2827MS高回転型を搭載する事に。
△に絞った設計者苦心のラジエターも、中央が少し幅広の台形にせざるを得ないのは、ちょっと残念。
フォッカーのおきまり、脚車軸のミニ翼も ダミー脚同様 輪ゴムテンションで浮動式
翼左右両端にはV溝を作り この溝で翼のアライメントを出す。着陸のショックでも輪ゴム通しなのでクラッシュは免れる。
これも フォッカーDZならではの こだわりのオマケ。 わずか7g(カバーしても10gほど)でイメージア〜ップ!
尾翼も付いて 胴体ほぼ生地完成状態 この状態で112g どうやらシリーズ他機よりも軽量に仕上がりそうだ。

2006年 10月 24日 支柱もガッチリ オマケもバッチリ
フォッカー独特の三点指示支柱。
でも工作は前後がメインで斜め支柱は補強に。

メイン支柱は4mmカーボンパイプ。
根元はL型のピアノ線、頭部はコの字型のピアノ線で連結。

斜め支柱は3mmカーボンパイプを胴体にブスリ、
キリで下穴を開け、あとは現物合わせでヤスリでシコシコ
頭部は針金でコの字型のピアノ線に巻きつけてパイプに先端に差し込んで接着する。
ボール紙に書いた角度・位置ゲージ、バルサ棒、
あらゆるものを使って位置合わせ。仮組み完了。
カバーリング終了後再度組み立て、主翼完成後に取り付けて
位置決めしてから完全接着する。
さすがフォッカーの英知、三角トラスでビクともしない。

木の支柱に張線だらけが通常だった複葉機も、
たった7年間に技術はこんなに進歩する。戦時中は!
今回もついついアクセサリーにこだわって・・・ え? 機関銃はみんな同じだって? いやぁ〜
ヴィッカースは縦溝、シュパンダウは○穴(本当は長丸なんだけど)、同じような型でも放熱筒で変わるんです!
ダミーエンジンは メルセデス160hpか BMW185hpか 水冷直列6気筒 
 ・・・ え?だぁれ?「おかま」みたいなんていうのは!
    ・・・「カマ列6亀頭」 オ〜ウィ なんてひどい言いかた!

2006年 10月 30日 主翼もできて ほぼ組み立て完成
さんざん悩んだ主翼の造り。実機同様翼端・斜めのエルロンにするためには、どうしても翼を翼端に向かって薄くなる厚みテーパーにしなければならない。という事はリブ高さだけではなく、前縁、後縁の巾まで正確にテーパーさせないと、滑らかな翼上面のラインはでない。 はたして飛ばすためのRC機でそこまでスケールにこだわる必要があるだろうか? どんな機体でも多かれ少なかれデフォルムは必要だし、お飾りのミュージアムモデルを作ってるわけじゃないし・・・
オーナー氏のご意見で一件落着。飛んでナンボのラジコン機、つまらないこわわりは捨てて、飛ばすための模型として確実な飛行性能を優先で・・・
結果的に 主翼は実績のある極オーソドックスな構造に。
前縁部上面ハーフプランクは、前縁の気流の流れを滑らかにし、捩れの強度にも効果的。
エルロンはストレート、翼端エルロンで。93中錬で採用した左右2マイクロ・サーボ方式に。1mm航空ベニヤのハッチにサーボを取り付け、主翼下面にビス止め。
最初の成型は何度もテスト&トライ、やっとドン・ピシャなラジエターが出来上がり 
モーターのペラアダプターのために中央の巾が少し広くなったけど、出来上がりはまずまず DZ らしく仕上がった。
メッシュ部分は両端が狭く、切り抜くとまるで強度がなくて形にならなくなってしまうので、やむなくプリント・アウトステッカーに。

さて いよいよカバーリングで完成。 完成機体は「EP」「ほとんどスケール」で。

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