工房日誌 製作ダイアリー

ほとんどスケール 大日本帝国海軍 零式艦上戦闘機 二一型 A6M2 1/12
2014年 6月 零式艦上戦闘機 二一型 A6M2 1/12(初号機)・・・(熊本)T.K.さま 
  「九七式艦上攻撃機 1/14」ご愛用のK様からのリクエスト。
  ついに初登場 零戦! 幾多のメーカーから販売され世界中に溢れているゼロ戦、故に今まで
  鬼門として手をつけなかった。
  しかし「永遠の0」以来 零戦への思いは募り、日本人なら覆いきれない永遠のテーマ。
  カバーリングの関係で悩み続けた塗色、しかし迷彩塗装はご自身の手で・・・ということで
  工場出荷状態の銀地肌で完成お届け。そこで勇躍決断、精魂込めて零戦にチャレンジ!

2014年06月01日 A6M2 二一型 1/12(2217クラス) 初号機 製作開始
制作にあたり従前の二式水戦をベースに二一型に 実機とは逆の発想で気軽に取り掛かったものの、
水戦には引き込み脚はない! 尾輪もあるから胴体尾部は別物! いざ作り出してから問題続出。
結局 新規作図と変わらない状態に。。。 
フロートがなくなるから抵抗も重量も大幅に
軽減され飛行性能はだまって向上するはず。

その安易な発想が大混乱を引き起こす。

強風から紫電へ なんだか似てるなぁ・・・

引き込み脚=車輪の収納、 尾輪の追加、
エルロンは2サーボ翼内収納に、
九七艦攻同様に 落下式増槽を装備、
こうなりゃトコトン フラップも・・・

意気込みだけが先行して、製作開始から
根本的に発想転換を余儀なくされた。
やはり思い入れのある零戦なんだから
全く新規に設計製作に掛かるべきだった。

まずは胴体の製作 従来と全く逆に尾部から決めてゆこう。 尾輪を埋め込まなならんけん!
尾翼のスリット+差し込み方式は「ドナルドのカーチス」等でも
さんざんこなした手法。可動式尾輪の組み込みが一番厄介。
とりあえずポリチューブのガイドだけしっかり位置決めして
組み込んでおき、完成後垂直尾翼差し込み前に尾輪軸を通して
方向舵組み込み時点で折り曲げればいい。

水平板は昇降舵まで一体仕上げで横から差し込み式に。
縦通材は本数を増やしプランク後の丸みを確実に。
ここまでで胴体基本骨格、尾翼組立はほぼ完了。
機首部分、マウントベース、バッテリー室の製作・・・ここでまず最初の問題発生!
マウントベースのバッテリー室は十分な広さを確保、3S1500mAまで収納可能。
なんたって長大な航続距離は零戦の大きな特徴ゆえ 少しで航続時間を・・・
二式水戦ではメインフロート支柱差込のため、実機の防火壁部分から前をベニヤのBOXにして、そこに支柱差し込みガイドを
造り付け、防火壁は一枚板で、主翼前縁の胴体結合部分を切り取っていたのだが・・・
零戦では主翼前縁に車輪格納スペースがある!前縁線は中央まで直線でなければならない。ということは
防火壁下部は主翼前縁位置まで前進させねばならないのだ。やむなくマウントボックスの下線までを切り取り、
下部だけ別製で防火壁前方に設置。前はバルサ厚板なのでエポキシ接着で強度は問題なし。
中央部迎え角(2度)翼端捩じ利下げ(0度)を正確に組むため
リブ下面はフラットのままで平板上で組み立て、
上面から仕上げてゆく。
フラットな下面だから上反角の設定も完璧、カンザシ接着時点で狂いのない一体の主翼が完成。
と、ここまではうまくいったのだが・・・下面の翼型削り出しに一苦労、定規を当てながら下面のラインを慎重に削り出し。
確かに正確な組立ではあるが安易な発想は後で苦労を生み出す。
従前の隼などのように一枚ごとに切り出したリブに下面だけ下駄を貼り付けてフラットにしておくべきだった。
主翼内の装備 エルロン 引き込み脚 +落下増槽 ここまでやったら++オマケだ!フラップ
零戦のフラップは下面開き下げのスプリット・フラップだから、構造的にはさしたる問題はない。
トルクロッド式1サーボのエルロンと似たようなものでシンプルなメカで十分。
引き上げた時に翼上面に密着しサーボにも負荷がかからいように、新考案!
「下げ」はロッド先端で、「上げ」は内面にOリングをセットしロッド先端がOリングを引き上げる。
サーボストロークに負荷はかからず翼下面に密着する。 プロポのCH6を使えば自在に角度を変えられる。まさに
空戦フラップ!といっても飛行中に使うことはまずないだろうから 単純にON/OFFだけで十分だろう。
エルロンは左右2サーボ、ベニヤのハッチで翼下面に。 今回は主翼の剛性強化で下面もハーフプランク+リブキャップで。
引き込み脚カバーもリアルに!?
実機の脚柱は内側なのだけど そこはRC GWS引き込み脚ではタイヤを内側にせざるを得ない。
( 車輪カバーのない隼では外側でバッチリだったけど・・・ )
脚カバーは1mm航空ベニヤを使用。翼下面のカーブに合わせ丸みをつけて・・・
回転止めは、隼同様ギヤの脚柱固定ネジ部に丸穴を被せ、脚部分は上下2本のOリングを使用。
隼ではゴム風船貼り付けのアイデアだったが、ニトリルゴムのOリングだから耐久性もぐっと向上。
零戦では機体中央の車輪カバーもある。ここまでやったらなんとかコイツも克服したい! がしかし 
実機同様の構造・作動方式は問題なしと確認したが、開いた時のテンションが今ひとつ・・・
完全に開かないと脚揚げ時にどうしても車輪が引っかかってしまう。
 さてさて この難問は如何に解決できるのか? はたまたやむなく省略で一件落着となるか??
悩みに悩み 試行錯誤で四度目の正直 カバー付け根に大型機用のヒンジを使い、開閉をスムーズに。
引き込みはタイヤでU字型ワイヤを押し上げる。発想は簡単でも調整は大ごと何度も出したり入れたり・・・
開き下げのテンションもまた一悶着、輪ゴムやら平ゴムやらあれこれ試し、最終的に引きバネで作動解決。
どんなことしてもこのバネが外に出てしまうのだけは止むなしと・・・
脚を上げた時 パタンと両側がぴったり閉まる。この瞬間で苦労は消し飛んで一人悦に入る。。。
思い入れの零戦ゆえ こだわりは尽きることなく・・・
二一型独特のカウル下の吸気ダクトはバルサ削り出し、オイルクーラーインテークはPETで、
排気集合管は厚紙筒で・・・ノーズ周りは最大限リアルに。
こうなると操縦席周りも気になって・・・
光像式照準器、ヘッドレスト、アンテナ支柱
計器盤=までは手がまわらずここだけは目をつむって・・・
あれこれいじくりまわして ようやく組み立て完了 生地完成445g(脚、リンケージ、増槽 込み)
引き込み脚(GWS、真鍮ギヤマイクロサーボ)
投下式増槽 (九七、九九魚雷・爆弾と同じギミック)
開き下げスプリット・フラップ
最大3S1500mAまで搭載可能
翼中央はサーボとコードの嵐、
40AESCとミニ受信機
これら全て操縦席ハッチ内でチェックできる。
この状態でCGはほぼピッタリ、これなら
 バランス・ウェイトはまず必要ないだろう。
いよいよ完全なフォルムを表した 零式艦上戦闘機 二一型
 さてさて もう一回バラして カバーリング。
  完成重量は以前の隼や1/14九七艦攻とほぼ同じで収まりそうだ。
 空戦性能最重視の零戦だが こちらは遊び心最優先!? 飛行中はスティック操作が忙しいぞ・・・

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