日本海軍 九三式水上中間練習機 1/10 |
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4年ぶり? 久々の「赤とんぼ」
深い所縁の霞ヶ浦からのご注文で 気の入れようもひとしお。
かつて大量製作した1/12の単なる拡大版ではなく、
随所に新企画を盛り込んだまったくの新設計で。 |
2017 12月 大型化に伴い胴体も十分強度を持たせた新設計で |
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前部胴体はベニヤのBOX構造。
後部は従来からの方式
バルサLアングルのトラスで。
バルサ一枚板の側板・・・という
ありきたりの手では納得できない。 |
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翼支柱差込み部分、肩口は堅木、下部はベニヤ胴枠でしっかり補強。 |
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Lアングルは3mm厚で十分な強度をもたせて。 |
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下面フロート支柱取付部も堅木で補強、ビス止めもガッチリと。 |
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ここでRd.Ev.リンケージを組み込んでから、後部上側の縦通材を組立て。
左右外側に縦通材をあてて胴体側面の丸みのあるシルエットを成形。 |
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胴体強化の理由は=胴体上部は操縦席まで一体のハッチで全開放するため。 |
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翼支柱はピアノ線コの字にカーボンパイプ被せ。エポキシで完全一体に。バルサをあてて成形、
フィルムカバーで仕上げ。 カバーリング完成後に支柱を接着するので、仮組み状態で
角度、高さ、幅をチェックしながら胴体穴を丸棒ヤスリで慎重に削り込み。 |
尾翼の製作 |
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ラダー下部には1.2mmピアノ線で水中舵も追加できるよう差込み穴を付け、両側面を
グラス布で補強。外観はちょっと見苦しいかもしれないが、一般的なRC水上機の手法で・・・
《実機 前期型ではフロート底面尾部の切り欠きに小さな舵があるのか?
後期型ではフロート尾端に 舵がついているようだが? どうも判然としない》
「言い訳たらたら」
水中舵はフロート尾部に舵をつけてサーボダイレクトに・・・とも考えていたが、
フロートにサーボを積むとなると、配線が厄介だし、あまりにも複雑な造りになってしまうし、
防水も問題だし、余分な重量も嵩んでしまう・・・ということで。。。 |
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昇降舵を成形していて感じたのだが、当初の設計では単純な楕円型翼端だったのではないだろうか?
あまりにも取って付けたような形は不自然だし、外周を繋げてみると素直な楕円になる。。。 |
お決まりのダイー・エンジンの製作 |
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かつてはサイズ的にPETボトル加熱収縮成形でタウネンド・リングを作ったが
1/10となるとこの手は使えない。やむなくバルサ曲げワッパの貼り重ね、削りだしで。 |
九三中練の泣かされ所 胴体先端の空気抜きルーバー |
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ようやく胴体組立て完了 |

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主翼の製作 まずは基本になる下翼から。 |
上半角は実機では上下とも1.25度だが、下翼は直線翼なので2.0度に。 |
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Al.サーボは厚みがギリギリだがハッチ式に。コードトンネルはPPのチューブ内装式に。
上下連動エルロンなので作動元の下翼は剛性十分にガッチリと工作。 |
上翼は少々厄介。上半角+後退角+中央は直線・・・結果三分割に。 |
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カンザシ差込み式で左右別体だが、完成機組立て段階ではエポキシで三者合体させる。
平板上で翼端リブ下に10mmスペーサーを挟んで、左右の上半角、後退角を確認して接着。 |
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中央翼支柱固定はトラス・タッピング・ビス。はじめに胴体を少し後にずらして後部を仮止めし、
それから前進させて前部のビスを止める。こうしないと斜め支柱が邪魔してビス止めできないから・・・
(写真ではまだ接合してないが、実際は一体の上翼なので上半角をよける分、中央翼下にザブトンを
当ててやらないといけない) |
翼間支柱もこれまた難物。斜めでしかも前後角度も長さも違う |
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従前小型機の時は針金心棒をバルササンドイッチ+シュリンク・カバーで、上下支点は折り曲げ式で
長さも自由に微調整できたが、このサイズでは少々心もとない。そこで支柱は2mmベニヤを
エポキシ積層にして、上下ピボットはアルミ厚板でビス穴を長穴にしてサンドイッチに。
微妙な角度は現物あわせ!ピボット部に貫通穴を開け竹ピンを入れて位置を固定。
支点のビスは2mmタッピングで簡単に。(指先が器用な人なら2X8ビス・ナットが完璧) |
フロート 支柱の製作 |
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フロートはサヴォイア・ヌーヴォで実証済みの断熱フォーム積層。センターにはプランク瞬間付け用に
バルサ細切りを、上面支柱取り付け部には3mmベニヤ積層の芯材をエポキシで埋め込み。 |
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タキシングを考えると、どうしても水中舵はほしい。
当初ラダー下にぶら下げるシッポ式も考えたが
確かに簡単ではあるがスケール機であるならば・・・
フロートの尾端に小さな舵をつけたい。
(実機後期型も同様)そこで一工夫、ミニ・サーボを
収めるバルサの箱をフロート後部に埋め込み、
ロッドは内部をとおして、上面はハッチに・・・
なんて理想を考えはしたものの |
いざやってみると現実は厳しい。すっぽり埋め込むには深さが足りない! ロッドを内装するとなると
ストッパーの分もあるし、とても無理だ。横置きなら・・・幅が広く切り欠きが大きくなりすぎて
衝撃でフロート後部がポッキリ・・・なんて不安も。 やむなくサーボ・ホーンとロッドだけを
外出しにして、上面は”それをフィルムでチョイト隠せ!”なんて手まり歌で。 |
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メーカー量産品ならジュラルミン板成形なんて簡単な方法ができるだろうが、手作り単品では
ピアノ線、カーボンロッドなど市販の材料に頼るしかない。 左右連結支柱は5mmカーボンで、
各支柱は2mmピアノ線折り曲げで、カーボン糸巻き締めエポキシ固め。バルサ・サンドイッチ、
フィルム・カバー仕上げということに。 支柱は取り付け角度が大切なので、一般的な
小型機の脚のように根本を機体の穴に差込み、アルミ・プレートビス止めという方式で。 |
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一難さってまた一難、フロートを先に組み上げてしまうと下翼が取り付けできない!
結局まず支柱だけ組み付け、後部支柱を後に反らせながら下翼をはめるというやたら面倒なことに。
(このくらいの機体サイズだったら下翼は十二分強度を持たせたんだから、後部支柱を
下翼に直付けしたほうがよかったのかも。それなら組立ても極めてスンナリできたはず。
過ぎたるは及ばざるが如し これこそ後の祭り。。。 )
サーボ・コードは旨いこと隠蔽できた。先端を翼後部の穴から胴体内に引き入れ、胴体内で
Rd.サーボのコネクターと三又Wジョイントで結線すればいい。 そのあとコードを後部支柱にそわせて
テープ止めでもしてやれば、外観は実にスッキリ。
しかしこれだけでは柱の芯線が細いので斜めの角度支えは十分ではない。
組立て完了後、フロート取り付け角度、ステップ位置、左右並行などのチュック微調整も兼ねて
前後支柱間をX字にワイヤーを張ってやる必要がある。
*** 実機だって複葉機は張線で剛性を持たせてるんだし ***
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12月23日 細部アクセサリーを除いて まづは機体生地完成に |
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生地完成重量 922g(フロート込み)で、このクラスの機体としては軽量仕上げとはいえないが
全備重量は1500g以下に押さえられそうで、複葉で翼面積は30デシもあるから 翼面荷重は
50g/デシ程度。まずは練習機としては余裕のある飛行性能を期待できそうだ。
だだしペラのスケールサイズに合わせて12Xの大径で、しかも3542という一クラス上の
余裕パワーだから、水上でのフルスロットルは少々過激すぎる懸念が・・・
世間様はクリスマス わたしゃクルシミマス 年末最終を飾るべくラスト・スパート!
カバーリングが単色なのがせめてもの救い。さあ 吶喊〜〜〜ン
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